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お腹に穴が空いた話し

お腹に穴が空いたと言う表現は、Aくんが中学生の時、最初の昇級審査の時に、茶帯だったKを倒しちゃったって事で、K貴先輩にお腹をパンチされ倒された時の事を、「お腹に穴が空いたと思いました」からきている。
それ以前に、僕は世界大会に出場したS先輩のパンチを受け、一足先にお腹に穴を空けている。
かれこれうん十年前のこと。
僕がまだ中学2年生の時の事。
少年部の稽古を卒業して一般部の稽古に出始めた頃かな。
僕が少年部から一般部になった頃は、初級とか中級とか入門コースとか特訓があって、初級だけでも、道場の中が「モワァー」ってなるような熱気ムンムンだった。
一方冬は、とても寒くて、足の裏が凍りそうなくらい道場が冷えていて、あのデカくて広い道場に容量の合わないストーブがあるけど、あまりにも冷えすぎていて、足の裏がツルツルして、道場の板の間を滑り歩いていた事が懐かしい。
古びた床がミシッミシッと音が鳴るのとか、今心の底からあの音が聞きたいかな。
さて、僕が中級に出ていた時のこと。
当時は高校生や大学生がワンサカいて、僕は茶帯をしていたけど、調子こいた技を出すと、大学生あたりにはしょっちゅう泣かされていた。
言い訳としては、今の安全を考慮された構造のサポーターと違って、厚さ半分くらいのペラペラのサポーターしか無かったから、ディフェンスをキッチリ身につけないと、痛みと共に涙が込み上げてくるのは日常茶飯事だった。
ある日の稽古中。
たしか月曜日の中級だったと思う。
スパーリングの時間となり、僕はいつもの様に調子こいていた。
S先輩とのスパーリングの時。
今考えて分析した結果、僕の身長に合わせてくれてパンチや蹴りをされていたと思うんだ。
だが、右のパンチの時に、一瞬頭の位置が下がり反対のガードの手が下がる事に気がついてしまった僕は、そのパンチに合わせる様に、狙って右の上段回し蹴りを蹴ってしまった。
その瞬間、S先輩の顔を蹴ってしまったのだ。
そして、間もなくタイマーが鳴って終わったのだけど、「今狙ったのか?OK」と言われた時の表情は今でも覚えている。
言葉だけなら、狙って蹴って良くやった!のように聞こえるが、次の周回の時にそれは起こった。
「構えて、始め」から間もなくだったのかなと、はっきりとは覚えていない。
右のパンチか左のパンチかも覚えていない。
覚えているのは、強烈なパンチが僕のお腹に入ったこと。
今でこそ、真夏のソフトクリームの様にデロデロに溶けている様に緩んでいるから、あまり聞かなくないが、昔は技を効かされたら、「押忍、参りました」と言わないと、壁ドンされても倒されても、パンチや蹴りが止まる言は無かった。
当然その時も「押忍、参りました」と言ったはずなのだが、お腹に穴が空いたような強烈なパンチだったため、息も出来ないし、「押忍、参りました」が言葉になっていなかった事だけは、よく覚えている。
今だから笑い話しで言えるが、おそらく「お腹に、ボウリングの玉が、バッティングセンターの玉の速さでビルの屋上から落ちてきた」くらいの強烈なパンチと言っても、全然大袈裟な表現ではないと思う。
あれ以来、ボディー強化を徹底してやる様にした。
自慢になるのか、ならないのかわからないが、ボディー強化を頑張ってきたおかげで、技ありや一本で負けた事があんまりない。
技有りや一本で負けたのは、これまでの空手人生で3回だけだ。
僕が本格的にボディー強化をやり始めて、打たれ強くなり始めたのは中学生の時だ。
そう考えると、今の子達は、相当打たれ強くなっている。
カイトもモトも「あぁぁぁぁぁ」なんて言いながらも、倒れなかったし、コノハはコロナ自粛になる前の小学生までは、あの年の女の子にしては群を抜いていた打たれ強さだったと思う。
今はまだ6年生なのに、昨年まで名門の札工ボクシング部で鍛えた優作のパンチを受けても涼しい顔をして笑っているケイトの腹の打たれ強さは、正直手に負えない。
気持ちが大人の方に切り替わったら一気にいけそうなくらいの秘密兵器だ。
みんな、お腹に穴が空いたくらい効いたって言わないけど、僕のパンチがまだ弱いのか、彼らのお腹が当時の僕よりも強すぎるのか…

   

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