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職員魂

先日、SNSの投稿にコメントをしたときに、K先輩が心を救ってくれるようなコメントをしてくれた。


当時は、毎日の会話が押忍の5段活用。
本部の隠し部屋にある寮に住んでいた僕らは、T師範の方針で、365日24時間体制をとっていた。
屋上の柵に看板を取り付けると雨が降っている夜11時に呼び出され、何時間を作業したこと。
南の方の県から来ていた筋肉ムキムキの師範のワイシャツを、明日の朝までに洗濯しアイロンをかけるように言われ、夜中2時ごろに内線でたたき起こされたことなど、ほんとに懐かしい。
自分は少年部の時に「じゃがいもくん」とあだ名をつけられていた自分が、一般部の大会で優勝したときの表彰式でマイクのスイッチが入っているのに「やったなじゃがいも」と言われたことも懐かしい。
自分よりも、はるかに辛く厳しい職員時代を送っていた先輩たちに比べると、自分やK先輩の時代は少し緩くなったのかもしれないが、今考えると「よくあれで生きて居られたな」と思う。
職員を始めた最初の頃は、何の仕事をやっていいのかわからず、指示されたことだけをやっていた。
いつの頃か「指示されたことばっかりやってないで、仕事は自分で見つけて作ってやれ」といつも怒られていた。
職員の先輩たちは全員朝事務所に出勤すると、みんなで道場や駐車場など、周辺の掃除をしてから仕事が始まる。
仕事を自分で見つけなければいけないと言うのは、できる仕事のキャパが限られている自分にしてみれば相当なプレッシャーだった。
そこで自分は、卓上カレンダーを部屋に置き、曜日ごとに朝の掃除ではきれいにしきれないところの掃除や、片付け、極真カーの洗車など雑用を徹底してやった。
住んでいた部屋と言っても、今の本部の中2階にあたる奥の部屋で、窓がないパイプベッドをおけば足の踏み場がない部屋に住んでいた。
卓上カレンダーに書いたその作業をしようとするときに、先輩たちから用事を頼まれたり、営業途中にふらっと寄ってくれる先輩たちが来てくれると、その日決めていた作業が別日に回すことができて、気持ち的には棚ぼたな気分だった。
というのも、ほとんどの作業は慣れてしまうとスムーズに片付いてしまい、「思ってたよりも早く終わってしまったから次どおしよう…」なんて事も多々あった。
稽古が終わると、旧本部道場の隣でやっていた居酒屋さんを手伝いに行くこともしばしばあった。
その時はH先輩からいろいろなことを教わった。
米を研ぐように言われ、研ぎすぎだと怒られ、次の日には研がなすぎだと怒られ。
キャベツの千切りを作れと言われ、千切りなのに太すぎると怒られ。
卵焼きを作れと言われ、ネギが入ってないとか甘くないとか。
今思い出しただけで笑えてしまうようないい思い出だ。
稽古は、みんなが出勤する前に走ったりサンドバッグを叩いたり。
指導が終わり道場生がある程度帰ってからトレーニングしたり。
日中は、先輩たちがトレーニングをするときに便乗して一緒にやったが、仕事をしている先輩に「ちょっとトレーニングやってきます」と言える空気じゃない日も多々あった。
職員の給料は、中学生の新聞配達に毛が生えた程度の給料しかもらっていなかったので、唯一の楽しみは安売りの買い物しかなかった。
今はなくなってしまったが、本部の斜め向かいにあったケーキ屋さんが毎週土日になるとシュークリームを半額で売っているのは楽しみで仕方なかった。
毎日の昼ごはんの足しにするには、コンビニで週替わりに安売りされるカップラーメン。
デパートのスポーツ用品店に行って、在庫処分品や値引き商品のジャージ等をよく買った。
まだまだ語り尽くせぬ職員時代。
豪華なものを食べれる時は、行事が終わった後にT師範に食事に連れて行ってもらった時や、大会の打ち上げなど。
たまに先輩たちが稽古の後に居酒屋さんなどに行ったときには、たくさんご馳走になった。
道東クマさんことN先輩は、「お前若いんだからたくさん食えよ。よそってやるから皿寄越せ」と言いながらも、うまく盛り付けることができず「めんどくせ、やっぱりお前やれ」と、口は悪いが優しい事は今でも変わっていない。
また、T師範に職員を辞めたいと話した時、高級なお店に連れて行かれ、バニーガールが運んでくるステーキを食べさせてくれた。
ステーキを食べたいときには辞めたいですと言えば、バニーガールが運ぶステーキを食べれるのかなあと思ったが、そううまくはいかなかった。
あの時の貴重な経験があるから多少の事は我慢できる。
最近ずっとイライラしていたが、K先輩の言葉に救われた。
そうこうしているとSNSでは、ちょうど5年前の今日のことが出てきた。
S先生の投稿をシェアしたものだ。


夏休みに稽古もないのに道場の掃除をしに来た若者たちについて書いてあった。
言いたいことが山ほどあり、それを1つでも口に出すと3時間は愚痴と文句を言い続けられる。
先日お会いしたときにF先生は5時間お話を聞いてくれると言ってくれましたが、ここでは触れないでおこう。
S先生の5年前の投稿、そういう志のある若者たちがいると言うことに、ただただうらやましいなぁと思う。
自分が若くて職員をやっていた頃や、その前の時代に戻れるなら、その若者たちと同じように道場に入り浸っていたかもしれいと思った。

   

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