好青年を見た話し
このシルバーウィークは、JKJOチームバトルに始まり、JKJO王者決定戦、JKJO全日本シニア、そしてJKJO全日本大会と、本当に色々と心を動かされる素晴らしい場面に多々出会うことができた。
チームバトルではチーム北海道が一丸となって大盛り上がり。王者決定戦では良いことも悪いことも含め、多くの発見があった。その中でも、いつも以上の笑顔で接してくれた一人の好青年との出会いが印象に残っている。彼のあの無垢で子供っぽい笑顔は、大人になってもそのまま残していてほしい、そう心から思った。
全日本シニアでは、北心会の越智先生が昨年のシニア軽量級に続き、今年はシニア重量級で見事に2階級制覇を成し遂げた。昨年はセコンドに入ったが、今年は審判の業務と重なり、2回戦と決勝戦しか見ることができなかった。しかし、30年前から変わらないスピード感あふれる動きは、「まだまだ若手と十分に戦えるのではないか」と思わせるほど圧巻だった。
と、ここまで感動的な話やタイトルの価値、素晴らしい好青年について書いてきたが、実はこれはほんの前振りに過ぎない。
本当のドラマは、帰りの飛行機の中で起こった。
いつも感心させられるM塾の子たちと同じ飛行機だったのだが、飛行機を降りる際、たまたま通路を挟んで斜め前にいた子に順番を譲り、後ろから彼の行動を目にする機会があった。
その彼の素晴らしさに、私は深く感動させられた。
通路の途中や降降口で「ありがとうございました」とお見送りをしてくれるCAさん一人ひとりに対して、彼は全員に「ありがとうございました」ときちんと声をかけ、頭を下げていたのだ。
機内で直接やり取りのあったCAさんだけならまだしも、扉の前に立つ地上スタッフさんや、通路の途中で乗り継ぎ案内をしているスタッフの方々……すべての人に対して、ハッキリとした言葉で感謝を告げ、お辞儀をしていた。
たまたま目の前にいたから気づいただけかもしれない。だが、ふと考えさせられた。
「これがうちの生徒たちなら、同じ行動ができただろうか?」
自分も含め、周囲のほとんどの人は「ありがとうございました」と言われても、軽く会釈をする程度だ。その中で、彼の行動はあまりにも新鮮で、本物としての価値を感じさせるものだった。
試合や大会で生まれる感動はもちろんたくさんある。しかし、このように身近で起こる些細な行動によって感動させられることは、指導者として、一人の人間として、本当に嬉しくなる。
私には私なりの価値観がある。
大会で活躍している子であっても、そうでなくても。年上であっても、年下であっても。
そこに人として輝く「何か」を持っている子を見つけたとき、私はその子のファンになる。
つまり、この行動を見て、その子のファンになった。
これからも、彼を心の中でそっと応援し続けていきたい。