路面電車
250円で味わえる、小さな旅。
先週末の札幌は、あいにくの雨。
懇親会に声をかけていただき、少し早めに飲食店へ向かった。
会場はすすきのから少し離れた場所。地下鉄でも歩いて行ける距離だったが、「路面電車の方が近いですよ」と聞き、久しぶりに市電に乗ることにした。
考えてみると、路面電車に乗るのは35〜36年ぶり。

高校へ通うために、毎日のように乗っていた路面電車だ。
それだけの年月が経てば当然なのかもしれないが、目の前に現れた車両は、私の記憶にあるものとはまるで別物だった。
車内は明るく、広々としていて、とても静か。まるで海外で乗った新しいトラムのような雰囲気だった。
以前、シンガポールだったかオーストラリアだったかで電車に乗ったとき、「電車の中って、こんな空間だっただろうか」と感じた記憶がある。
そんな別世界のような感覚を、まさか札幌の身近な路面電車でも味わえるとは思ってもみなかった。

昔は、地下鉄大通駅を地上に出て、西4丁目駅からすすきの駅までをぐるっと回るような路線だったが、数年前に大通とすすきのの間も線路がつながり、今では市内を一周できる環状運転になっている。
今回は目的地までの短い乗車だったが、次は目的も決めずに乗ってみるのも面白そうだと思った。
暑い夏の日。
エアコンの効いた路面電車に揺られながら、札幌の街をゆっくり一周する。
たった250円で味わえる、小さな旅。
そんな時間の過ごし方も悪くないな、と感じた雨の一日だった。